本当のことを知っているスゴい人。
森田ゆりさんの講演を聴きました。
(森田ゆり主宰エンパワメント・センター)
私は子育て支援活動をする中で
子どもの虐待などには直面してくるので
とても役に立つ興味深いお話ばかりでした。
この講演会は「児童福祉専門援助講座」になっていたので
地域の民生委員さんが参加されていました。
CAPの方や専門的に子どもやお母さん方の支援をされている方が
多かったと思われます。
印象に残ったお話を忘れないように書いておこうと思います。
■『専門』とは何か?
そのテーマに対してしっかりした枠組を持っているかいないか。
部屋にはタンスが必要。‘タンス’のようなもの。
知識をタンスに入れておけば
必要なときに引き出しを開けて使えるが、
知識をもっていても散乱していると
必要なときに使えない。それは専門家ではない。
■『人権』
人が生きていくためになくてはならない
“人の生きる力”のこと。
■“人の生きる力”とは何か?
→「安心」「自信」「自由」
悩んでいる人困っている人は
「安心」「自信」「自由」が奪われていることがあるので
相談されたときに考える。
■「自由」とは〝自分で選べる〟ということ。
→自分で選んで結果は引き受けるということで、
勝手気ままにすることではない。
■人の幸せとは何か?
「愛されること」 「愛すること」
「褒められること」 「褒めること」
「人の役に立てること」 「手伝ってもらえること」
■虐待・DVの被害者の共通点
誰にも言えないことの深刻な影響。
→誰にも言えないことで悪化していく。
■「1人でいることがトラウマを形成する」
(シャンドール・フェレンツィ著「臨床日記」)
■大人が子どもにあげることのできる最良の贈り物とは?
→聴くこと 傾聴する。
(尋ねるよりも聞くよりも)
能動的傾聴・共感的傾聴・反復的傾聴・具体的傾聴
「なぜ?「どうして?」の質問はなるべく使わない。
→批判することになってしまうから。
■『心の応急手当』
手を当てたぬくもりが
人間の「自然治癒力」を活性化させる。回復していく。
すべての人は自然治癒力を持っている。
回復するかどうかは当人にしかできない。
■怒りの仮面
「怒り」の裏側には傷つき体験からくる感情を持っている
・恐れ
・不安
・見捨てられ不安
・悲しさ
・寂しさ
・悔しさ
・絶望
・自信のなさ
・喪失感
■日本での虐待の弱点は
→「法律が不十分」
保育園や児童相談所などの福祉施設が見守っていても
見守りきれないので、身内を含めた体制をつくっていくことが必要。
そしてもうひとつ
■『ナイスは生きている』森田宗一著
森田ゆりさんのお父様のお話がとても印象的でした。
ナイスは生きている
昭和24年・家庭裁判所創設以来一貫して少年審判の判事として
非行少年に寄り添うことに情熱をかけた父の原点は、
子ども時代のナイスとの出会いにあったそうです。
森田ゆりさんのお話には説得力がありました。
本当のことを知っておられるスゴい方です。